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なぜキリスト教の国が経済発展しているのか、という話

      2015/07/07

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イスラム教の国で、石油などの資源がなくて経済発展してる国がないのはなぜだろう。
宗教が経済活動と密接に結びついてるのは、なんとなく感じてた。

ふと、バングラデシュで思ったこと。
10分間、道を歩いただけで何人もの物乞いに遭遇する。中には、自分は貧しいから施しを受けるのは当然という態度の、「プロ」の物乞いの人たちまでいる。ロサンゼルスでも物乞いの人を見たけど、バングラデシュはレベルが違った。国の貧しさのレベルが違うからなんだけど、ではなぜこんなにもキリスト教の国が経済発展してるのか。この違いはなんなんだろう、と思ってた。

そんなとき、池上彰『世界を変えた10冊の本』を読んだ。

彼が選んだ10冊は、以下。()内は出版された年。
1,アンネの日記(1947)
2,聖書
3,コーラン
4,プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神(1904)
5,資本論(1867)
6,イスラーム原理主義の「道しるべ」(1964)
7,沈黙の春(1962)
8,種の起源(1859)
9,雇用、利子および貨幣の一般理論(1936)
10,資本主義と自由(1962)

最近では、テレビ東京の選挙特番の”神”としても登場する著者。そこでの、「大衆の興味を引きつつ、政治という日本ではあまり日常的に話されないトピックをわかりやすく届ける技術」には誰もが魅せられる。この本も同様で、池上さん、こういう理解しづらいトピックをわかりやすく解説する天才だな、と思った。
“世界を変えた”というくらいだから、出版年からわかる通りかなり昔の本。しかも、学者が書く本ってだいたい何言ってんのかわからないから読んでも理解できないんだけど、池上さんのわかりやすすぎる解説により、本の主張が私のような一般人にもかなりクリアに届いています。

そんな10冊の中でも、私がとりわけ気になったのが4つ目のマックス・ウェーバー著『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』。
本自体は読んだことないけど、世界史やってたら絶対に出てくるこの本の名前。
ウェーバーいわく、キリスト教の中でもプロテスタントの人々の精神が、資本主義を発展させたらしい。プロテスタントとは、16世紀に宗教改革がおこなわれ、そのときに登場するカルヴァンの「予定説」を信じる人々のこと。

予定説とは:
すべてのことがあらかじめ決まっており、個々が救われるかどうかもあらかじめ決まっているという説。
→現世で善いことをしても、救われるかどうかはわからない。現世で積んだ徳は来世の救済には関係がない。
→信徒は自分が選ばれた(救われる)者だと信じることを義務とした。(そうでないと不安でしかたないから)
→その確信を持つために、職業に打ち込むことを教え込まれた。もともと職業とは神から与えられたものと信じられていたから、それに全力を尽くすことで、神の栄光を示すことになると考えた。怠惰な生活は神に選ばれていないことを示してしまうので、ご法度。そのため、めっちゃ禁欲な生活を送ることになる。
→財産ができても、怠惰な生活はご法度だから、ひたすら働き続け、のちに資本家が誕生する。

やがて、プロテスタントはアメリカに渡り、アメリカの経済発展を支えるベースの精神となった。

このようなストーリーからわかるように、宗教と経済活動の密接なつながりを説いた本が、ウェーバーのこの本だったらしい。めちゃくちゃ興味深いじゃん!

私の通ってた中高も、プロテスタントの学校だった。なぜか制服がなかったので、大学までずーっと私服登校。だから、毎日服選ぶのが大変、というかめんどくさかった。おかげで、就職してスーツになって超ラクチン!と思った。スーツとかオフィスカジュアルって、本当に選ぶのがラク。もしや、これも「毎日同じ制服を着ていくなんて、怠惰な生活をするな」という禁欲主義なのか。

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