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日本の神話『古事記』の現代語版が面白すぎたので、まとめた(上巻)

      2016/12/04

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真名井の滝↑高千穂峡の真名井の滝

先日、旅行で宮崎に行ったときに会った人に

「高千穂に行ったのに、『古事記』読んでないのーー??!!もったいない!!」

と、かなりマジな顔で言われたので、帰ってきてから早速読んでいます。もちろん現代語版ですけど。

いろんな人が現代語版を出しているんだけど、私は竹田恒泰さんの本にした。
古事記って、現代語版で読んでもまぁー難しい。なんせ、神様が数え切れないくらいたくさん登場するし、みんな名前が長いから覚えられない。場所もあっち行ったりこっち行ったりで、把握しきれない。
でも慣れてくると、聖書と同じくらい古事記はつっこみどころが満載でとても面白いということに気づきます。

古事記のおおまかな説明

 

以下、上巻の内容かいつまんでお届け。


話が始まって早々に、イザナキとイザナミが国生みのためにセックスします。国ができないとその後の話も進まないわけですが、この後もいろんな神がセックスしまくって神が生まれます。風紀乱れまくってます。
黄泉国はイザナキが往来していることでわかるように、行ったり来たりできるというとても不思議なつくりをしています。神様も死ぬんですね。


誓約(うけい/占いの一種)のときに、天照大御神が剣を天之真名井の水ですすぐシーンがあるんだけど、この真名井とは高天原の神聖な水をくむ井戸のことらしい。高千穂の真名井の滝って、見てくれがすでに神聖な様相を呈してるからそういう名前になったのかな。


稲羽の素兎が登場。最初のシーンで、兎は毛をむしられて哀れな状況なんだけど、これは立派な動物虐待です。なかなか残虐。しかもその兎に海水を浴びるように助言する兄弟(八十神)もヒドい。余計に皮膚が荒れてしまった兎に、淡水で洗うよう助言するのが大国主神(オオクニヌシノカミ)。結果、兎の肌は治り、正しい行為をした大国主神が姫と結婚できるという王道のストーリーです。


大国主神は兄弟(八十神)たちが結婚したがっていたアイドル・八上比売と結婚することになり、兄弟の怒りを買うことに。それで二回も殺されるんだけど、そのたびに母神によって蘇らせられてどんだけ不死身なのかっていうツッコミ待ちパート。
結婚相手の父親の髪を柱に結びつけて逃走するとか、なかなか鬼畜で笑える。


大国主神は自分を殺した兄弟を逆に殺しかえすっていう、もうめちゃくちゃな展開です。神様なのに容赦ないです。平和、どこいった。


邇邇芸命(ニニギノミコト)は容姿端麗なほうだけ選んで醜いほうを追い返したっていうのが、とても人間ぽくて好きです。神様は誰に対しても平等なわけではありません。この事件により寿命ができてしまった邇邇芸命のお墓は鹿児島県にあり、宮内庁が管理しているらしいです。神話がいきなり現代につながっててビックリします。
邇邇芸命の子の火照命(ホデリノミコト)と火遠理命(ホオリノミコト)は道具を交換し、弟が兄に借りた釣り針を海でなくしてしまい、探しにいくのですが、海の宮殿で会った姫と結婚してそこで3年すごします。え、釣り針探しにいったんじゃなかったの???と読者の誰もがつっこみたくなるシーンです。

 

聖書もおよそ科学的でないことがバンバン書かれてるわけだけど、古事記も負けてない。
神様同士で殺し合いはもちろん、死んだり生き返ったりするし、常にセックスしてるし、こういうのってどの国の神話でも一緒なのをみると、人間の考えることってどこでもだいたい一緒なんだろうなぁ。

神の代の上巻はこれで終わり、中巻の神と天皇の話に続く。

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