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海上自衛隊の特殊部隊創設者・伊藤祐靖『国のために死ねるか』を読んでみた

      2018/01/31

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予備自衛官補の募集に応募する前に、自衛隊関連の本でも読んでみようと手にとった本。

いろいろとエクストリームな感じの本ではあるが、、、

1999年、北朝鮮の不審船が日本領海に侵入した能登半島沖不審船事件をきっかけに、海上自衛隊にて特殊部隊の創設が決まる。
その事件時、航海長として護衛艦「みょうこう」に乗船しており、その後、特殊部隊創設に携わった著者。
約8年間、特殊部隊の創設に尽力するが、途中で異動を命じられ、自衛隊を去ることを決断。
その後は治安のよくないフィリピンのミンダナオ島に移住し、特殊戦に必要な訓練を積み、現在はそういった知識や経験を自衛官らに伝えているそう。

 

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著者の父親は戦時中は陸軍に在籍し、蒋介石の暗殺を命じられた。
終戦直前に軍籍を抜かれたが、「暗殺命令が却下されていない」と蒋介石が死ぬまでの30年間、いつでも出撃できるように準備していたらしい。

終戦後も毎週末、射撃訓練を行う父親を見て育った著者。スポーツ万能で日体大を卒業後は、海上自衛隊に入隊する。
いろんな人の人生を見てて思うのは、人間12歳くらいまでに身近に見てきた人や世界がその後の職業選択に大きな影響を与えるんだってこと。
どんな職業でも、まずは働きぶりを思い描けなければ目指しようがない。
私はカンボジアに学校をつくるNGOでインターンしていた時があったけど、ドナーへのレポートに子供のインタビューが掲載されていて、どの子もたいがい将来なりたい職業は「医者、先生、看護師、警察官」で、サッカー選手やエンジニアという回答は1度も見かけなかった。まわりにいないのだから、目指しようがないよね。

著者が自衛官になったのも、父親の影響が少なからずあるのだと思われる。

 

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「自分が大切だと決めたもののために何かを諦める」

ミンダナオ島でのラレインというトレーニングパートナーとの出会いは、特殊戦での技術以外にも生き方や考え方など、得るものが非常に多かったそう。
ラレインは著者の父親ととてもよく似た考えの持ち主だった。
大事なものを守るために自分の命をもかける。
たとえ手足を失おうとも、目の前の敵を殺すというミッションをやり遂げる。

仕事できる人も、みんなこの思考な気がする。
前の会社の先輩が「結局やるか、やらないか、その2択しかない」と言ってた。
営業するかしないか、その前にアポをとるかとらないか、その前に誰かに紹介してもらうか、その電話をかけるかかけないか、…。
言葉には表れてないけど、このタスクをやると決めたら、その代償として休憩時間を削ったり、ほかにやりたかったことを諦めたりしているんだと思う。

 

自分が大切にしているもの、それを守るために諦めたこと。
なんだったかなぁ、とこの33年間を振り返ってた。

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