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映画『ブラックホーク・ダウン』が今更だけどとても良かった件

      2018/08/10

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今更だけど2001年公開の映画『ブラックホーク・ダウン』にハマってる。
普段はDVDなんて買わないのにコレクターズボックスまで買ってしまった私が、勝手に見どころを紹介。

 

多すぎる登場人物

この映画のポイントはなんといっても、登場人物が多すぎること。原作の本には100人の人物が登場したが、映画では37人にまで絞ったそうです。映画ってだいたい主要人物が4人くらいだから、37人でも全然多いわけで、観客がついてきてくれるのか制作チームも心配してたみたい。しかも、レンジャーは髪型が一緒だから誰が誰だか見分けがつかない。私も最初はあんまり話しが理解できなくておもしろくなかったんだけど、人物が把握できてくると俄然この映画の人物描写や演出がおもしろく感じる。当然だけど、人の数だけ物語が存在するからね。

 

圧倒的なリアリティ

この映画の原作であるマーク・ボウデンの本はこの事件の関係者に膨大な時間を割いてインタビューをした上で書かれており、それをかなり忠実に再現したのがこの映画。実際にこの作戦に参加したトム・マシューズ中佐(航空部隊の指揮官、同名で映画にも登場)とリー・ヴァン・アーズデイル中佐(デルタの指揮官、映画ではクリッブス中佐と名前が変わっている)を顧問に迎えたり、作戦に参加したレンジャーと俳優が直接話して現場の様子をシェアしている様子がメイキング映像にあります。米兵を演じる俳優は、1週間それぞれの部隊(レンジャー、デルタ、パイロット)に送られて動き方や武器の扱い方のトレーニングを受けてる。監督のオーディオ・コメンタリーにも、何回も”accuracy””authenticity”って言葉がでてくる。おかげでドキュメンタリーのような映画となり、かなり中立的な視点で1993年10月3日の「モガデシュの戦闘」が描かれてる。
もちろんブラックホークヘリも本物を米軍から借りて、本物のレンジャー100人やパイロットも撮影に参加してもらうという気合の入れよう。そりゃ、撮影地のモロッコ政府もビビってなかなか許可ださないよな。

 

残酷なシーンもしっかり映画に入ってる

この映画には、RPGが直撃して下半身を失って亡くなる人や親指がちぎれそうになる米兵がでてくる。目をそむけたくなるくらい酷いんだけど、暴力的で残虐なのが戦争。関わった人がみんな何かを失ってる。ソマリア側もアメリカ側も多数の死傷者を出す。この映画はそういった無力感をすごく感じられる。

 

ゴードン曹長とシュガート一等軍曹の戦死

この映画のハイライトはなんといっても、この2人の戦死のシーンでしょう。2機目のブラックホークが墜落した時、仲間を助けるために墜落現場に降下を志願したデルタ兵2人の壮絶な戦闘シーンは、見てて言葉を失う。ゴードンとシュガートは圧倒的な数のソマリア民兵に囲まれて戦死するんだけど、結果的にパイロットを助けたとしてベトナム戦争以降初めての名誉勲章を授与されます。
これはね、いろいろと思うところがあるので、別途書きます。

 


普通に本編だけでもいいんだけど、メイキングやヒストリーチャンネルの映像などが収録されたコレクターズボックスは素晴らしいの一言。オーディオ・コメンタリーなんか、おもしろくてずーっと聞いていられる。夏休みはどこも混んでて外出したくない方、引きこもりのお供にどうぞ。

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