ソマリア出身のゲストがうちに泊まりにきた話
2018/08/16
ソマリア出身ゲストとの出会い
Airbnb経由でゲストがうちに到着する前に知りえる情報は、あんまりない。予約者(今回は奥さん)の国籍と到着予定時刻ぐらいで、それ以外は会話の中で知っていく。このカップルがうちに到着したとき、奥さんのエリカがアメリカ人、夫のアリはカナダ人との自己紹介を受けた。
ふーん、なるほど、アメリカとカナダね。
その時、ソマリアが舞台の映画『ブラックホーク・ダウン』にハマっていることを話したら、アリが「おぉ、それ僕の国のことじゃん」と一言。
ん？カナダはどこにも関わってないけど…。
意味がよくわからず数秒の間があった。
あれ、もしかしてアリって、ソマリア出身、なの？
聞いてみたら、「そうだよ」と軽いノリで言われた。
え！！！！！！！！！！！
私はこの時、ソマリア出身の人に初めて会った。
アリについて
アリは8歳の時にカナダに移住してカナダ国籍を取得、その後アメリカ国籍の女性と結婚し、カナダとアメリカ両方のパスポートを持ってる。今はドバイでコンサルタントの仕事をしてるそう。
彼はムスリムなので豚肉がダメ。ラーメンが食べたいと言ってたので近所のラーメン屋につれていったら、ラーメンのスープはしょうゆだろうが味噌だろうが豚骨は出汁をとるのに使ってるとお店の人に言われて食べられず…。でも翌日、ハラール仕様のラーメン屋に行って無事にラーメンを食すことができたそうです。よかった！
その日は結局、近所のチェーン居酒屋につれていってアラカルトで注文することに。ムスリムやベジタリアンなど食事にこだわりがあるゲストの場合、食べ物の選択肢が多いチェーン店はなにかと助かる。
彼はソマリアの中でも比較的治安の安定しているソマリランド出身らしく、ソマリアは南部と北部で全然違って、韓国と北朝鮮みたいなもんだと言ってた。これ結構わかりやすい例えだと思う。ソマリランドは韓国で、モガディシュがある南部のソマリアは北朝鮮。
ソマリアの映画は2つしかない
アリいわく「ソマリアが舞台の映画は2つしかない。ブラックホーク・ダウンとキャプテン・フィリップスだよ。」と紹介されたので、ソマリアの海賊の映画『キャプテン・フィリップス』を見てみた。
『キャプテン・フィリップス』は外国船の密漁が横行して魚が取れなくなり、困ったソマリア人漁師が海賊行為をするというストーリー。アリいわく、ソマリアで魚が取れなくなったのは、ソマリア沖で外国船が有害物質の不法投棄をしているのが原因だそう。以下のリンクだと、1980年代から核のゴミがソマリア沖に捨てられてると書いてある…。
Evaluating Claims of Nuclear Waste Dumping in Somalia/Somaliland Initial Scoping of Open Sources in English
真相はともかく、視点や立場が違うと語られることも違う。
あと、彼はこうも言ってた。
「10年後、ソマリアはもっと良くなる。一度は他国に移った人たちが、祖国に帰って国を良くしようとしてるから。」
バックグラウンドが全然違う人の話って、めっちゃ面白いな。